お国柄の差が歴然！ 動画で見る世界各国ロケット打ち上げの様子【2017夏ver】

2017年夏、今年も世界各地でロケット打ち上げが粛々と進められています。日本も政府の情報衛星始め山下いくととコラボしたりと色々やっており、パブリック・リレーションズも変わってきている事を感じさせる日々ですが、なんだか物足りない・・・

ということで、今週のほぼ同じ時期に打ち上げられた他国のロケット打ち上げの様子を動画で見たところ、その差にビックリ。ここまで違うのか！と感じること間違いないです。

夏だ！打ち上げロケット！ロシア最高！



・JAXA　みちびき3号　HⅡA-F35
まずはJAXAのライブから。以前はJAXAの若い美人なお姉さんを出したり色々と試行錯誤していましたが、現在は一般人を大きく巻き込んで「応援してるよ！」感を全面に出しています。


全国の小中学校からのお便り動画をカウントダウンで5秒ごとに刻んでいくというアクロバットな動画です。https://youtu.be/0B7DLfxRtFc?t=33m


 Youtubeには2窓を用意し、片方をテクニカル中継とし片方をマス向けで配信。
一般向けの方の放送は久し振りに拝見したのですが、酷いですね。確かに子供を多数参加させることで宇宙への興味関心を喚起するのは良いかもしれませんか、不特定多数に向けてやるよりかは強い興味を持つ一部へ向けてしっかりとやったほうがよいのでは？と感じます。つまり、今まで通りJAXAの優しそうなオジサンがお姉さんと淡々とあれこれ技術的な話を交えつつ実況するスタイルです。山下いくとの件もそうですが、正直今のJAXAは代理店に踊らされて迷走している気がします。


・SpaceX CRS-12 Falcon9 

打ち上げは大体16分くらいから。



リンク：https://youtu.be/Y8mLi-rRTh8?t=15m49s


アメリカの1民間企業を国家機関と比較するのも酷な話かも知れませんが、現代のロケットライブ中継を語る上でSpXの存在は欠かせないでしょう。
初回からは見違える程に、回を重ねるごとに確実に毎回アップグレードしてきたSpaceXのライブ中継。最近はイメージ戦略も気にすることなく、最初から最後まで謎の「通信障害」に悩まされることもなく、またそれを「いちいち放送中に釈明」することもなくなりました笑。
映像・音・カメラのアングルの数共に業界標準というかデファクトスタンダードというか、最高峰です。
しっかりと実況がされているのも良いです。スペースシャトル以降、低迷していたロケット打ち上げエンターテイメントを復活させた功績は大きいです。


・ISRO GSLV MK3



6月5日にインド史上最強のロケット(重量640t)が打ち上げられたということですが、放送に関してはインドらしくカオスな感じになっています。また米国以外の宇宙機関としては、標準テック実況が英語というのも特徴的です。（JAXAは副音声？でたまに英語、ESAはテックフランス語で実況音声英語）



・ESA Ariane5  VA238 

打ち上げは15分あたりから。
6月28日に仏領ギアナから打ち上げられたアリアンスペースのアリアン5。
おそらく世界で最もエレガントな打ち上げライブでしょう。カウントダウンも「ヌフ、ウィット、セット、シス、サンク・・・」とオシャレ過ぎるにも程がある感じ。飛行中のテレメトリもキレイです。この辺は流石ヨーロッパのデザインセンス高しといったところか。


・ILS　Blagovest-11L　プロトンM

https://www.youtube.com/watch?v=v0IlV50-8qk

最後はお待ちかね、ロシアです。正直今回の記事を書こうと思い立った原因は、なにを隠そうこのプロトンMのあまりにもスパルタンな勇姿に感動したから。
最近までプロトン、インターナショナル・ローンチ・サービスは独自のストリーミングサイトをつかっていましたが、今では後に編集された動画をYoutubeにてFullHDで確認する事ができるようになりました。かなり適当ですが、積極的にアップロードしてくれるので楽しいです。


動画はライブ映像では無いですが、無言で淡々と状況を説明し突然夜の打ち上げシーンへ。ゴジラのうめき声の様な不穏な轟音の直後に空間が震える振動ど火焔が見事に表現されています。遠距離から時差で爆発音が聞こえてくるのもgood。地域を犠牲にしてまでも使われる非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素の燃焼はインパクト大きいです。



・ロスコスモス　ソユーズ　Союз МС-05

一方、ロスコスモスはソユーズの360度映像を撮影したりと色々おもしろいことやってます。こちらは7月28日の打ち上げ。金井烈士がサブクルーだったやつです。



筆者自身、バイコヌールへ打ち上げ見学に行ったことはあるのですが、とにかく予告なしの超スパルタンな雰囲気の中打ち上げが行われます。「色々本当に大丈夫なのか！！マジで！」と何度も思いました。「大丈夫かどうかではなく、やるのだよ同志」とでも言いたげなロシア人達。動画も毎回カウントなしのいきなり本番です。そしてその音の迫力。
今回のプロトンMはまさに「重ロケット」という表現が最適な前世紀の遺物感漂うロケットです。ソユーズも骨董品ですが。バイコヌールの打ち上げは非常に独特なので絶対見に行ったほうがいいです。