2015年6月28日は、スペースX社にとって大きな分かれ目の日になってしまったのだろうか。
フロリダ州ケープカナベラル空軍基地第40射場。
穏やかな昼下がりの午後だった。
まるでこの後に起こる惨劇など、知る由もないと言った風。
いつものように打ち上げまでの静かな時間が続く。
スペースシャトルの打ち上げとは大違いだ。
そして打ち上げの時刻、14時21 分。第一段が勢い良く点火。
爆炎をあげ、Falcon9F19は上がる。
ぐんぐん高度をあげ、上昇するロケット。
管制では、マックスQなど諸状況が逐一報告されている。
と、その時。
突然ロケットから大量の白煙が出る。
2段目分離にしては早すぎるし、そのアナウンスも無かった。
次の瞬間、非常に嫌な想像が脳裏をよぎる。
コンマ秒後、ボロボロと「何か」がロケットから分離し始める。
どんどん大きなパーツが脱落してゆく。
管制は無言のままだ。
そして。ドッっと大きな煙を最後に吐き、Falcon9は爆散した。
見事な爆散っぷりで、大きなフェアリングが落ちる様子すら見ることが出来なかった。
跡形も無い木っ端微塵の爆発四散とは、まさにこの事だろう。
あまりにも一瞬の出来事だったため、ひたすらスクリーンショットを撮ることしか出来なかった。
だんだんと、尾を引いて重力に囚われてゆく機体の一部。
地球に「落ちていく」
もはや空には、なにも残っていなかった。
この時点で、Falcon9史上初の完全失敗が記録された。
成功率は、V1.1で92.9%へと下がった。
このブログを始めて、宇宙開発をネットから俯瞰し始めてから初めてのリアルタイムで見る打ち上げ失敗だっただけに、しばらくモニターの前から動くことが出来なかった。
宇宙開発が難しいのは今も昔も変わらず、本当に予期せぬ事態が平然と起こるシビアな世界なんだなあ、と改めて実感した。しかし、確実に言えることは、スペースX社及びイーロン・マスクがこの程度では全く諦めるなど、あり得ないだろうという確信だった。
宇宙開発に挑戦する者にとって一番重要なことは、諦めないことなのかもしれない。
自分が今まさに、人類が地球から飛び出そうと必死になってもがいているまさに最前線に居合わせている事を強烈に印象づける出来事であった。
【打ち上げ失敗】Falcon9 CRS-7 雲散霧消とは当にこの事か【SpaceX】
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