ロンドン郊外のイギリス空軍博物館(RAF museum)を訪問し、①と②の記事で"Battle of Britain Hall"(推奨見学時間:2時間), "Milestones of Flight Hall"(2時間), "Marine Craft Collection"の展示をそれぞれ観てきました。
そして今回は残りの"Bomber Hall"(2時間)"と”Historic Hanger”の紹介をご紹介。
〜前回までの様子〜
今回見ていくのはBomber Hall、爆撃機などがメインの大きな四角いハンガーです。
前回紹介した"Milestones of Flight Hall"からは通路で直結しています。
Supermarine Spitfire F24
まず目に飛び込んで来るのがこの機体、スピットF24。最終量産型のF22からいくつかのマイナー改装を経て、このスピットファイア最終形態が誕生しました。その数たった70。
涙滴型のキャノピーが美しいです。
Hawker Siddeley Buccanner S2B
そして今回この博物館で見た飛行機の中で最も印象的だったのがこの機体。
Hawker Siddeley Buccanner S2B (ブラックバーン・バッカニア)
湾岸戦争などで実戦に参加しているため、この砂漠迷彩なんだと思いますが、非常に存在感のある独特な形状をしています。元は海軍向けの艦上攻撃機で、海面スレスレを高速で侵入し、レーダーをすり抜けて敵艦隊に核攻撃を見舞うというイギリスらしい設計思想の機体です。空気抵抗を減らすため、エリアルールや弾倉を設けるなどの努力が見られます。
そして特徴的なのがこの尾部に設けられた巨大なエアブレーキ。こんな機体、今まで見たことがありません。艦載機として、非常に男前な機体と言えるのではないでしょうか。
Grand Slam
中でもこれ、グランドスラムはWW2時最大クラスの超大型爆弾です。その重さ11t。
もはやバンカーバスターですね。
Panavia Tornado GR1B
通称ボブです。
Handley Page Halifax Ⅱ
ご覧の通り、残骸です。
ランカスターと同時期の4発重爆撃機で、最盛期には1時間に1機のペースで量産されたらしいです。
Consolidated B24L-20-FO Liberator
レンドリース法で1900機のB24がアメリカから貸与され、そのうちの1機です。状態はかなり良かったです。極東での爆撃任務もあったみたいで、短期間ではあるものの、あのウィンストン・チャーチル首相のプライベート機だったこともあるようです。
この画像からも分かるように、B24Lは機首下部の構造が大分変更されています。
空気抵抗が減らされているようです。
Avro Lancaster 1
イギリス人が最も誇りにしているWW2の4発重爆撃機です。
近くで見てみると、その無骨な重厚感に圧倒されます。タイヤがとにかくでかい。
Boeing B17G Fortress
Boeing B17G Fortress
何故かこの画像しか無かったので迷いましたが、機体下部の銃座と胴体のインテークが特徴的なので間違いないでしょう(適当)
安定のジオラマコーナーも健在です。今回は「爆撃を受けて廃墟になった工場」のようです。しかもなぜか、ジオラマ内で水が流れているという設定。
▼水が流れている様子です
Heinkel He 162A-2 「サラマンダー」
Heinkel He 162A-2 「サラマンダー」
ナチス・ドイツ末期の伝説的なジェット自家用戦闘機です。その実、「フォルクスイェーガー」とも呼ばれています。実機ははやりかなり小ぶりで、確かに町工場でも十分に量産できそうな外観でした。また、全体的に(塗装も含めて)モダンな感じがして、今での何処かの小国の練習機でありそうな様子が、やはりドイツぶっ飛んでんな、と感じさせます。
North American TB-25 J
東京を初めて直接爆撃したあの「ミッチェル」です。WW2最高の中型爆撃機の1つです。
イギリスでは、レンドリース法で貸与された機体に加え、アメリカ陸軍の航空隊が駐留したようです。この機体もマーキングは米陸軍航空隊のマーキングです。
Focke Wulf Fw190A-8/U-1
ついにきましたフォッケウルフFw190です。もはや説明不要の名機です。見事な保存状況で迷彩も素晴らしです。
そしてこの機体は複座型で、キャノピー部がかなり大型化しています。
説明文によると、フォッケウルフ社は複座のプロトタイプも1機作ったそうですが、この機体は既存の物を改造したそうです。緑のハートマークが渋いですね。
Messerschmitt BF109G-2/Trop
Fw190の隣で仲良く展示されているのがこの伝説の機体、Bf109です。非常に感動的な光景です。しかもG型。
エンジンまわりの保存状態もかなり良いように感じます。これが70年以上前の機械だとは信じがたいほど鮮やかです。
たぶん、この博物館のイギリス人はナチスドイツの機体が大好きなんだと思います。
Handley Page Victor K2
みんな大好きビクターの機首部分です。いわばさらし首状態ですが、コックピット部がくり抜かれて中の様子を見ることが出来ます。ヴァルカンとともに、凶悪な英国面核攻撃トリオの一翼を担っていますが、顔がかわいいので許されている感じがします。ここでも、何故ヴィクターだけ首切断状態なのかも気になりますね。
Avro Vulcan B2
このかわいい装甲車の上に、覆いかぶさるように横たわる黒い影がイギリスの異様な爆撃機、ヴァルカンです。
とにかく全体的に異様なオーラをまとっており、恐ろしい兵器だな、という感じがしました。
正面から、ノーズコーン。でか過ぎてコクピットはまともに視認出来ませんでした。
以上が爆撃機館「Bomber Hall」の主な展示物でした。
以下は"Historic Hanger"の展示物です。
天井はそんなに高くはないものの、結構広い館内にところ狭しと飛行機が並べられている。ちなみに手前の機体はホーカー・ハート練習機とテンペスト2です。多分。
Gloster Meteor F8
de Havilland Vampire F3
機銃の位置が興味深いです。English Electric Canberra PR3
意外と大型です。British Aircraft Corporation Lightning F6
これでもか、とオプション装備を展示。赤外線ミサイルのハードポイントがおかしい。増槽が異次元。F6ライトニング、衝撃的でした。
垂直2発エンジン
密度、がとんでもないことになっているこの機体。コンパクトながらも全部入りな、コンセプトはトーネードしかり、イギリス人大好きなんですねえ。
F-4 Phantom FGR2
飛行船だと思うのですが、非常に解りづらい場所にあり説明もみあたりませんでした。。。
European Helicopter Industries Merlin EH101
Westland Belvedere HC1
Supermarine Stranaer
常夏の匂いがする飛行艇です。クラシックな自動車も見どころです。Lockheed Hudson ⅢA
このハドソン、ボートも展示されていますが、このボートを搭載して降下兵を輸送していたそうです。ノーズアートのカンガルーが意味深ですね。Westland Wessex HCC4
と、最後の方は駆け足というか実際駆け足で見学していたので、余り覚えて居ませんが、人がほとんどおらず素晴らしい見学環境でした。もし、時間があれば丸2日くらい掛けても十分すぎるくらいの展示内容だったとおもいます。
さらに、この他にもハンガーが後2つほどあり、お土産物屋さんでは昔の航空機雑誌が10ペンスとかで売っていたので結構楽しいですよ。
お土産については以下の記事で「バルカンのマグカップ」を紹介しています。
http://ktau-ktsc.blogspot.co.uk/2015/12/avro-vulcan-mug-cupraf-museum.html
【博物館】ロンドンのイギリス空軍博物館に行ってきました③【RAF】
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