ヨーロッパの宇宙機関esaが新しい宇宙船・IXV(Intermediate eXperimental Vehicle;アイグジビーと呼ばれていた)を2月にヴェガロケットによって打ち上げました。
このIXV、大気圏再突入実験機とよばれるもので、ミニスペースシャトルのように言われることもあります。
IXV再突入体は重量2トンの無人機で、外寸は全長5m、全幅2.2m、全高1.5m。翼のない揚抗比0.7のリフティングボディの機体後部に、姿勢制御に使用する2枚のボディフラップと推力400Nのスラスター4基を持つ。機体先端と下面はマッハ20を超える大気圏突入時の空力加熱に晒されるため、1,900°Cの高温に耐える耐熱繊維強化セラミック複合材で被覆される。(wikipedia)
ぱっと見、翼と機首がないスペースシャトルにも見えなくもないです。
日本のHOPEには似ています。しかし無駄のないシンプルな作りですね。
アメリカ空軍のX37Bともまた違いますね。
ネットでも勿論ESA公式サイトにおいて打ち上げライブ中継がなされており、その一部始終を紹介したいと思います。
ヴェガロケットは比較的新型の4段固固固液のロケットで、アリアンⅤを補うロケットとされています。Ⅰ段目が固体なので、離床の加速が半端ないです。物凄い勢いで飛んで行くのが非常に特徴的なロケットです。
右上のタイマーにあるように、4分頃には3段目が点火します。
ESAのアニメーションが非常にわかりやすく、 機体の方向とコントロールセンターの様子を一度に確認することが出来ます。
そして4段目液体ロケットの点火。機体方向の調整がされるのが良くわかります。
4段目の分離、これでヴェガロケットの役割は全ておわり、コントロールセンターでは拍手が起きます。
NASAの打ち上げライブに比べ、司会進行げかなり考えられている模様。演出家がしっかりついているようです。
そして1時間半後、この瞬間にIXVが大気圏に再突入し、無事に太平洋に着水し現地とコントロールセンターで拍手が起きます。
非常に小さいことが伺えます。
終始にこやかで、なんだかエレガントなヨーロッパ感のする打ち上げライブ中継でした。
今後もESAは再突入体の研究を続けるようなので、目が離せないです。
また実験終了後のスピーチでは、ヴェガロケットで功績のあったイタリア人が延々と話していましたが、そのヴェガロケットを開発した会社について少し纏めてみます。
ヴェガロケットはアヴィオというイタリア系の企業により推進系や機体が作製されています。
公式サイト。イタリア企業なのでイタリア語の方が内容充実してそう
じつはこの企業、2012年末に航空部門をGEに43億ドルで売ってるみたいです。なのでかつての航空部門は別サイトにありました。Avio Aero(アビオアエロ)
メディアキットにあった超タイプなお姉さんの画像。サイトは正直かなりスカスカな印象なのですが、航空部門が大分大きかったのでしょう。
Avio manufactures the three solid propellant motors P80, Zefiro 23 and Zefiro 9, using innovative high-tech processes http://www.avio.com/en/catalog/space/propulsione_spazialeとあるように、固体ロケットにかなり自信をもっているようです。またアリアン5のブースターも担当していて、日本でいうIHIエアロスペースというかIA的ポジションなのでしょうか 。
また歴史も古く、1912年には前身となる会社が設立されたみたいです。あまり日本では知られていない企業のようなので、これからも調べて行きたいと思います。
企業イメージが完全にヨーグルト会社なのですが、結構今後も注目株かもしれませんね。
アビオはプレーンなイメージだけに、ね(笑)(アビエーション=プレーン=ヨーグルトです一応)
【打ち上げ成功】Vega VV04(4号機):IXV打ち上げ成功レポート【esa】
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