ロッキード・マーティン発表の「2018年ベスト・モーメント」リストを振り返る




2018年も残す所わずかというところで、ロッキード・マーティン公式サイトを定期巡回していた所、非常に興味深い特集が組まれていることに気がついた。2018 Top Momentである。



思い返せば2018年も激動の年となった。中でもF35は日本国内でもいよいよ社会ニュースでも度々映り込むようになり、存在感はかなりのものと言える。無論、それは製造元でも同じで18個あるトップ・モーメントでも2回も登場している。

1つ目は7月にホワイトハウスで行われた「メイド・イン・アメリカ」イベントにて、F35とオライオン宇宙船と共に展示されたというモーメントだ。アメリカ第一主義を掲げる現政権としても、その最右翼に位置するもっともメイド・イン・アメリカ的な2つの製品という強烈な期待感を明確に感じることができる。
2つ目はF35単独のモーメントということで、F35SSD systems development and demonstration)完了が挙げられている。アメリカの最新機種ということで、もちろん歴史上もっとも複雑な戦闘飛行システムと評されており、ALISAutonomic Logistics Information System)などさらなる進化が見込まれるソフトウェア要素を多数内包しているのが、F35の最も特筆すべき点だろう。



防衛面でいうと、いよいよか、という感のあるのがLM”ONYX exoskeleton”システムだろう。日本国内ではサイバーダインのHALから始まったパワーアシストスーツ。最近はJTEKTなど国内大手も参入し水面下で競争が激化している分野だが、防衛分野となると明らかに毛色が違う。さらに防衛最大手ともなると、そこら辺のスタートアップが出す夢見過ぎなトガッた製品とはまた訳が違う、明らかな現実感が伴ってくる。すでにLMは契約を進めているようで、来年以降、加速度的にスーツが現実のものとなってきそうだ。






防衛面ではその他にもF16のブロック70という、どこまで行くのだろうという更新版もランクインしている。
あまり大きく報じられないが非常に巨大なプロジェクトである米軍の新型早期警戒衛生SBIRSの打ち上げに関するトピックも紹介されている。こちらは現在のミサイル防衛衛生システムを置換するもので、数十機の衛星を運用するというまさに宇宙開発の暗部。打ち上げはアトラスVである。







他にもブラックホークが30周年記念、CH53Kのベルリンエアショーでのお披露目、同じくシコルスキーのS-97のプロトタイプが200ノット(時速370キロ)突破のニュース、LM100Jなど防衛分野で計10件がランクインした。




▲しっかりと”LOCKHEED MARTIAN”という表示になっている点が素晴らしい

航空宇宙分野では前述したホワイトハウス前に展示されたオライオン宇宙船、年末の航空宇宙界で最大のトピックとなったInsightの火星着陸、NASAの静音超音速機X-59CEOのマリリン・ヒューソンがオライオン宇宙船の情報をチラ見せさせた件、USA Festivalの開催など計4件である。



▲間違いなく2018年世界最強の女社長である

その他の5件は環境問題に関するプロジェクト1件、働き方の多様性に関する件1件、教育が1件、CEOのマリリンが「世界でもっともパワフルな女性」に選ばれた事の報告1件、五千万ドルかけてオーランドにR&D部門の新社屋を立てたことなどが選ばれていた。ロボティクス的なトピックはランクインしていないのが意外。


来年もマリリンの活躍が目立つだろう。オライオンの続報からも目が離せない。


※画像はロッキード・マーティン社公式サイトより引用。
https://www.lockheedmartin.com/en-us/news/features/2018/2018-top-moments.html



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